Mac Pro 2009を改造してみた:CPU交換編

こんにちは。

この度、Macの改造記録を残そうと思い、ブログを始めました。Mac歴20年で、これまでメモリやドライブ交換は経験済みですが、初めてCPU交換に挑戦です!素人な私でもやればできたので、少しでも参考になれば幸いです。

 機種は Mac Pro Early 2009


購入当時は、マルチコアを活かせる動画編集機として活用していました。一方で、シングルコアを主とする作業ではCPUの周波数が低いがゆえ、最新のソフトでは動作がモッサリすることもしばしば。そこで・・・

Mac Proを最強のCPUに交換してみることにしました

目的 

  • 基本動作を快適にしたい 
    • オリジナルのCPUが2.26GHzで、シングルコア向けの作業は遅い 
  • 360°の動画編集を快適にしたい 
    • 6分の360°動画をエンコードするのに20分もかかる 
  • 自己満足 
    • ロマンです

買い替えも検討しましたが、ちょうど良い製品がないんですよねぇ。ラップトップは拡張性、バッテリーと熱問題から敬遠。後継機種の2019年式Mac Proはベースで59万円以上と、お値段もぶっ飛んでいる。そこまで投資する気が起きません。

ならば改造する方法はないのかと調べた結果、事例がたくさんあるではありませんか!割と簡単にCPUを交換できる事を知りました。さらに、CPUやGPUを交換する事で最新のOSも快適に使えることを知り、決断しました。

改造前

CPU:E5520 2.26GHz × 2   詳細はこちら
メモリ:10GB (1GB × 6 + 2GB × 2)
グラフィックス:NVIDIA Quadro 4000 2GB
ストレージ:128GB SSD
Wi-Fi: AR5BXB112 (AR9380)

改造後

CPU:X5690 3.46GHz × 2   詳細はこちら
メモリ:96GB (16GB × 6)
グラフィックス:Radeon RX580 8GB
ストレージ:512GB M.2
Wi-Fi:Broadcom BCM94322MC BCM4322

予算はざっくり10万円以内

仮にMacを買い替える場合、求めるスペックで20万円は軽く越えるので、その半額程度なら良いかなと考えていました。結果、8万円弱で延命改造できたので満足です!

この投資で現在サポート中のOS(High Sierra以上)も快適に動作し、ストレスフリーになりました。

また、コスパを最大にするための工夫として、キャッシュレスのキャンペーンに加え、中古やフリマで底値を見つけて購入した点です。そのため一気に改造せず、仕入れたパーツ順に進めました。

準備したもの

  • CPU交換のために
    • X5690 3.46GHz × 2 
    • グリス(Thermal Grizzly Hydronaut 1g)
    • 六角レンチドライバー(3mm × 120)
    • ポリカねじ(3mm × 20)
    • マスキングテープ
    • 指サック
  • メモリ交換のために
    • DDR10600 16GB × 6
  • グラフィックス交換のために
    • Radeon RX580 8GB
    • 電源ケーブル(ミニ6ピン×2→8ピン)
  • ストレージ交換のために
    • 512GB M.2
    • M.2 PCIe NVMe to PCIe 3.0 x 4アダプタカード
  • Wi-Fiモジュール交換のために
    • Broadcom BCM94322MC 無線LANカード


前座は以上です。

続いて作業内容を書きます。

CPUを交換

※事前にファームウェアの更新が必要です。こちらを参考にしました。
先人の知恵を借りて、4箇所を少しずつ緩めると良いようです

初めて取り外しました!こうなっているのか〜 

初めてCPUに触れます。集合体...

10年以上経過したためか、グリスは一部乾いているように見えます
ティッシュで綺麗に拭き取りました

殻割り済みの新しいCPUに載せ換えて

グリスを塗る前に、念の為マスキングをし

通称熊グリスでぬりぬり

グリスをヘラで伸ばして均等に塗り、最後にうんち絞り出し

2箇所同様に処理して本体に載せた後、PRAMをクリアして起動します
実はここで重大なミスがあったんですよね…のちほど

プロセッサが 2 × 3.46GHz 6-Core Intel Xeonに変わりました!成功です

CINEBENCHで測定中の様子。12コア24スレッドがフル回転

あれ、Northbridge Diode が111℃!?ちょっとヤバい?


調べた結果、この温度は異常であることがわかりました。

ノースブリッジってどこ?
色々と調べた結果、場所を特定してすぐにピンと来ました。

異常発熱の原因は、リベット破損によるヒートシンク離脱

CPUのヒートシンクを取り外す時、このプラ製リベットに引っ掛けてしまい、折れてしまいました。
が、もう片方のリベットは生きているのと、折れたリベットを押し込んだら固定できたので、大丈夫だろうと思っていたんですよね...。結果、こちらを参考にして修理しました。

右のリベットが浮いてバネが見えています
ヒートシンクが浮いているため、冷却不完全となっていました
そこでポリカねじ3ミリへ交換
裏に返し、余った分をニッパーでカット
完成!強度も増して再発防止へ
(CPU交換は最初で最後、もう二度と開けませんw)
再びCPUを装着します
ヒートシンクにぴったり貼り付いていたため、そのままガバッと(大胆かつ丁寧に)装着
元に戻し、いよいよ起動です。ドキドキ...
無事に起動!さっそく温度を確認します
Northbridge Diodeは58°に低下し、70°程度で安定しました。修理成功です!

小さなトラブルがあったものの、CPU交換は無事に終えることができました。

ベンチマークの結果

1546から3352へスコアアップ!

結果、2倍以上の性能向上となりました!

ランク7のスコア2885は、中古のCPU動作確認のためグリスを塗らず、仮装着した時のものです。この時はCPUファンがブォオオオーーンと轟音を鳴らしながら全回転していました。グリスが無いので冷却効率が悪くなり、結果CPU速度も落ちている様子が分かりますね。

量よりも質、高性能なグリスを選んだ

グリス塗る前と後で+16%もスコアアップですから、グリスの効果絶大ですね!!

グリスについていろいろと調べた結果、次を選びました。
わずか1グラムですが、CPUに塗るだけなので、これで充分でした。グラム単価は比較的高いですが、熱伝導率が高いのでコレにしてみました。

冷却効率が悪いとCPUの速度が低下して性能も落ちるので、やはりMac Proのような筐体は安心できます。今も昔もデザインが穴だらけなのに納得です。

今回の改造で、最初にして最難関であるCPU交換をクリアし、ひとまずホッとしました。


次回は、
  • メモリを10GBから96GBへ交換
です。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。